にしお小児科クリニックのブログ

梅花

先日、PALS(小児2次救命処置)インストラクターの更新講習会に行ってきました。北の国では梅がいい香りを漂わせていました。教える側もいろいろとアップデートが必要だと感じました。教え教えられる教育について少し考えてみました。子どもの教育(初等、中等)の方法論は千年単位であまり変わっていないように感じます。けれども現在ネットとAI(自動翻訳機能を含む)で情報の収集は誰でも何処でも何時でも、質はともかくできるようになり、これまで教育の一つの根幹であった情報、知識の蓄積の優位性は揺らいでいると思います。道具(情報)の使い方、道具の作り方、新規の道具の必要性などを教えるのが教育となるのでしょうか?また最近成人教育の重要性、方法論が数々語られています。研修医教育に従事していた頃、試行錯誤しましたが結局ベストと言えるものには行きつけませんでした。

私は小児腎臓専門医でその基礎トレーニングを旧東京都立清瀬小児病院腎臓内科(現在は統合され東京都立小児総合医療センター)において受けました。小児腎不全治療の黎明期を築かれ、今でも尊敬する本田雅敬先生に教えを乞いました。技術面は言うに及ばずですが、全国から集まったみんなの仲がよいのが印象的でした。良き教育の例と思っていますが現在語られる成人教育とはやや趣きが異なった気がします。教育に多くを捧げた孔丘の、上知と下愚は移らず(論語)、と現在の成人教育は相入れるものでしょうか。教えるとは容易なことではないと感じています。

清瀬で学んだ土地は梅園と言いました。紅白梅が美しいところでした。筍も採れるところでした。建物は恐ろしいほどボロでした。教育は「人」に尽き、それは天賦の才なのでしょうか。今回は成人教育についての雑感です。私など凡夫は常に学び続けるのが喜びです。

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